優子と秋雄

 「はな」のママもコンビニを経営しているとのことでなかなか会えなかったが、ようやく連絡があった。 都合がついて出かけたら、ママさんはコーヒーを入れてくれた。豆からひいたいつものコーヒーで、秋雄はホッと一息ついた。
 ママは知識も豊富だし、レストラン喫茶店コンビニなどを経営しているだけ、その接客態度ていうか対話はなかなかなもので、思わず話が弾んだ。 秋雄はコーヒー以外の楽しみも見つけた。

 ママと話しているうちに、少しずつママの生活事情もわかってきた。ご両親の残した土地の一部ににマスターと一緒にささやかな家を建てて住んでいること。マスターは、最近病気であっけなくなくなったと言うこと。ママの 一人娘は県外の男性に嫁いだということなど。 両親の土地にはもう一人独身の長女がいるということ。 自分は事業に忙しくて実母の介護もできずに、それは隣に住む姉がすべてやっていたと言うこと。 姉は公務員をしていて、若い頃はずっと安月給だったけれど、この不況時代にはそれなりに安定していると言うこと。
「姉は今、退職したらのんびりと年金暮らしをできるけれど、私は仕事を辞めたら収入がなくなるから、いつまでも働かなくてはね」と彼女は笑った。
 マスターが亡くなってからはレストラン喫茶はたたんで、今はコンビニだけ経営しているらしい。

 つまりは女性姉妹が2軒の家を並べて寄り添って生活していたのだった。 姉妹は二人とも大学を出て、社会経験も豊富で話していると楽しかった。 特に「喫茶はな」のママ優子さんと話すのはとても楽しかった。 いつの間にか、秋雄は二人の老姉妹の生活と関わるようになった。雪が降れば雪かきに来て、警報器を取り付けて欲しいといわれれば難なく取り付けて、いつの間にか二人の姉妹に重宝がられる存在となっていた。 喜ばれるのは嫌ではない。 更に、優子さんの入れるコーヒーはいつも美味しかった。

 時には支えられ、時には支え、気がつくとさらに10年の月日が経過していた。 姉妹は老後のためにリフォームをすると言い、その片付けなども彼は手伝った。 秋雄には責任のないこんな関係が心地よかった。 ママと話す対話も知的で楽しかった。 女性とこんなに楽しい会話ができるのかと秋雄は思った。ママ優子は、子育てをし、店を経営し、接客もしてきたのだから、ただ者ではない。 結婚を捨てた秋雄は10年間優子姉妹との温かな関係をずっと続けていたのである。

 

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この記事へのコメント

2012年09月27日 23:39
続編
お待ち申し上げております!
2012年09月28日 08:45
ベラさん
かなりはしょって書いているので、
うまく伝わっているかどうかわかりませんが、
つたない文章を読んで頂いてありがとうございます。

たけちゃん 清兵衛さん kyabetuさん
いつも気持ち玉をありがとうございます。
2012年09月28日 23:47
皆様
読んでくださってありがとうございます。
今日はちょっと忙しくて書く時間が取れませんでした。

後は、駆け足で結論にしますね。m(_ _)m

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