徘徊

 朝晩は少し涼しくなり、窓を開ければ過ごしやすくなった。
 先日は、初めて1週間のショートでちょっと案じたけれど、やはり平気な顔で機嫌良く帰宅した姑だった。今日はディケアの日なのだ。ディケアは精神科の病院がやっている認知症者対象の医療施設で、これとの出会いも我が家ではとても助かっている。
 近所の介護友など、お母さんの通院が一苦労な様子なのだ。我が家も以前、内科にかかっていたときは、月1回の通院が大仕事だった。半日も待合室で待っているのが年寄りには苦痛なのだ。 しかも、自由に動けず、トイレの場所もわからない。当時のケアマネージャーさんの勧めで、精神科のある病院に転院した。紹介状をお願いした内科の医師は、「この人は内科の方が問題ですよ」とあまり転院を喜ばなかった。
 転院した病院には、精神科の他に内科と歯科もあり、入れ歯が壊れたときや風邪を引いたときなども、連絡すればディケアで回してくれるので、通院の手間が省ける。これは本当にありがたいことだ。2ヶ月かけていろいろな検査をした結果、精神科の医師から「現在認識だけは高いので、前にかかっていた内科の医師は認知症だとは気づかなかったと思いますよ」と言われた。そのとおり。今も、娘である義姉もたいして認知症だとは思っていない様子だ。 義姉が来て話しているときには、姑はとても上手にその話に合わせるのだ。オウム返しに繰り返して楽しそうに笑う。 でも、日々、とにかく精神の安定への配慮が大切なようだ。現に風邪を引いたりして体調を崩すと不安になって、歩くことはもちろん立つこともできなくなるのだ。とにかく姑が安心して日常を過ごせるように配慮しているつもりだ。

 最近私のいないときにうろうろと外に出て探し回ることがあって近所の人に迷惑をかけたので、姑の在宅の時には、夫か私、どちらかが必ず家にいるようにしている。 でも、認知症は進行しても軽くなることはない。今日は二人とも家にいた。4時過ぎに、私が2階でゴミ退治に夢中になっていたら、夫がやってきた。
「婆ちゃんが逃走しそうになった。玄関の鍵の音が鳴ったから慌てて降りたら、出るところだった。」と。「お腹が空いたのにはなちゃんが台所にいないから誰もいないのかなと思って探しに行こうと思ったの」我が家は1階にリビングすらないのに。姑はいつも台所に私がいるものと思っている。
 私はすぐに夕食の準備、始めた途端に姑は出て来た。「早かったかなあ」「そうですね、まだ4時ですよ。急ぎますから、できたら連絡しますね」 それで姑はホッとしたらしい。

 先日介護審査の方が見えて、姑がいつの間にか外に出歩くことを話したら、「お嫁さんを探すという目的を持って出ているのは徘徊ではありません。徘徊は漫然と外を歩くことですから」と言われた。なるほど、そんなものか。私達夫婦はピリピリして姑が出ることに日々構えているのだが、これは徘徊ではないのだ。日常、私達夫婦が2階に住んでいて、姑が下に住んでいるというのがン十年も当たり前だったのに・・・・・今の姑にはそれが白紙であるのが難しい。勝手に出ないように、玄関の上の方にもう一つ鍵を取り付けたという友人もいたが、夫はそこまではしたくないようだった。

ああ、誰に何を言っていいのやら。

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この記事へのコメント

2012年09月20日 00:56
訪問及びコメントありがとう!
お気持ち凄くわかるよ!
去年まで我が家も同じだったから・・・グループホームに入所してからは少し軽減されました。
商売をしてるので自宅介護が困難になったのです。
昨年の10月に他界しました。
介護の最中は大変だったけど自分たちは精一杯だったので後悔はないです。
姑は徘徊はなかったのでその点は楽だったかもしれません。
ご自愛しながら精一杯のことしてあげてください。
2012年09月20日 09:34
えみちゃんさん
ありがとうございます。
商売をしながらの介護、お疲れ様でしたね。
姑は穏やかな性格で、私におんぶに抱っこなので人間関係は安定しており、私にとっては比較的楽な介護だと思っています。
でも、一人の人生を背負うのですから他の人にはわからないことがたくさんありますね。
これも巡り会いというか御縁だと思いますが、私はなかなかいい加減で反省することばかりです。
2012年09月21日 17:16
赤外線センサーか何かで、お姑さんが玄関に行ったら、二階でピンポ~ンって鳴るようなものがないでしょうかね~?
2012年09月21日 21:55
mayflowerさん
そう言えば、そんなものはどこかにありそうですね。
ありがとうございます。

友人の介護友は隣室のお母様の足がベッドから下に降りるとチャイムが鳴るシステムをレンタルしていると言っていました。
2012年09月22日 23:31
すみません・・・
「そこまでしたくない」ものが必要、かも・・
だって、安全には替えられませんもの。
はなさんのご心労が、ひとつでも減りますように。
2012年09月23日 20:35
ベラさん
ありがとうございます。
実は私達自身も老いてきて、今回2階にといれをつくるためのリフォームをすることになりました。

今まではトイレは姑の部屋の隣、1階の一番奥にあったのです。
私がトイレに行くと、姑が起きているときは必ず部屋からぬっと出て来て、何かを言いました。
「今日は休みなの?」「ご飯はまだなの?」「今何時なの?」
すでに内線電話も、2階との連絡チャイムも使えなくなった姑にとってはトイレに来たときだけが存在を確認する場だったのでしょう。
応対しながらも、何だかストーカーにおわれているような気分でもありました。姑が眠っていてトイレ帰りに出てこないとなんかホッとしました(こんなことを言うのは悪い嫁ですよね)
実は今回、2階にトイレをつくるためのリフォーム、老いて私の体力問題でもあるのですが、姑のためには心配でもあるのです。1階には台所しか私のスペースがないのですから。
 食事の時以外は私は下に降りないで済むのです。 私を常に待ってる姑に、これが良いことだとは思えず、対策を考えています。夜はゆったりと2階のトイレを利用させてももらう分、昼間はお茶やお菓子など、時々姑に声かけをするなどの配慮をして行かなくてはと思っています。 
夫をも刺激せずに、良い方法、模索しています。
皆様の話を伺っていると、なんか良い方法がありそうですね^^

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