それぞれの土地事情

 我が家の土地事情は複雑である。 先日御縁があって壁を塗っていただいた業者は、「ここは複雑ですね、息子さんの世代までにこの土地事情を解決しておく方がいいですね。昔はよくあったのです、親子とか兄弟で一区画を共同購入したことが。次の代になるとそれが原因でもめることが多いですよ」と。

 私達が老後の住み家を確保するために、別宅を買ったのも元はと言えばそういうことだ。

 姑夫婦と義姉は、親子で1区画を手に入れた。そこは先日評価してもらったところ、そう高くはない。なぜかというと路地の行き詰まりだからだ。ただ、場所的にはとても便利で、駅、病院、郵便局、銀行、大型ショッピングセンターとどこにでも行ける。土地自体も三角で、一番奥に若かったときの義姉夫婦は小さな家を建てた。姑夫婦が定年になったとき、真ん中に間口三間半の家を建てた。私達が結婚したとき3角形の入り口、唯一道路に面しているところにぎりぎりで、姑夫婦と同居のために間口二間半の家を建てた。当時、姑達の建てた家は財産分けだと言うことで、義姉夫婦に安く売られたが、私達にはお金は入らなかった。家を建てるための頭金もなかった私は実姉にお金を借りたのを覚えている。
 その後義姉夫婦は別の地に家を買って、姑達の建てた家を借家にしていた。

 私達が老後を目前にして老後の生活のために、家を新築したいと思い、姑達の建てた土地を売ってくれることを望んだが、断られた。
 私達の家は三角形の入り口、底辺付近に建っているウナギの寝床のような狭い家なのだ。改築できない私達は、かといって交通の便の悪いところに移住する気にもなれなかった。結局車がなくても生活できる、隣の県にマンションを買った。知らない土地に家を手に入れるのはなかなか難しいことだったのだが、微妙な御縁があったのだ。
 今ではかえって良かったと思われるが、お陰で、別宅に行くと息子達や孫達と楽にあったり食事をしたりできる。

 認知症の姑にとっては現在の家の環境を変えることはできないので、姑のいる限りはこちらの家を撤退することはできない。もちろんそればかりではないが。

 我が家の土地を売ることもできないのは、この宅地が、行き詰まりで、我が家が道路に面していると言うこともある。おそらく将来は義姉と一緒に一区画として手放すことが義姉夫婦にとっては一番利益になることだろうと思う。だから私達が買い取りたいと言っても売ってくれなかったのだろうが、そんな事情を息子達に話して了解してもらわなくてはと思うこの頃である。

 若いときにお世話になった友人がいる。彼女は一人暮らしで、今は体調も悪く 病院通いをしている。 私は週に一度は彼女の元を訪れる。バツイチで子供もいない友人は先年お母様を見送った。隣に住んでいる妹さんはコンビニを経営している。定年もないので、未だに働いている。御主人は他界されて、その連れ子さんとコンビニを経営しているらしい。妹さんには遠くに嫁いだ娘さんもいる。友人は「妹は自分の娘のために、私の土地を狙っているの」と笑っていた。長い間帰宅しなかったその娘さんが、昨年からよく友人の所を訪れるとか。子供のいない友人にはそれも楽しみの一つらしい。妹さんは、娘さんに「おばさんを大事にするのよ」と言っているのだと友人は笑っていた。
 彼女の家は我が家の倍以上の広さがある。広い庭があり、お隣さんに貸す気もない彼女に私はカボチャとサツマイモを勧めた。居室から外の空気を味わうところで他人が栽培活動をしているのは老後をゆったりと過ごしたい彼女としてはたまらないだろう。 勝手に葉を広げるカボチャとサツマイモを見ながら、私達はお茶をすすっている。

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